皮膚疾患の多くは、皮膚が赤くなったり、じくじくしたりして、目に見える皮膚の変化がありますが、皮膚掻痒症は、皮膚の変化が乏しいのにかゆみだけが出てしまうものです。もちろん、掻いてしまえば、かき傷ができることはあります。かゆみは下肢によく見られますが、腹部や背中など広い範囲に出現します。
 皮膚掻痒症の原因は、高齢者によく見られるドライスキン、薬剤によるもの、肝臓などの内臓疾患、食事、妊娠など、様々ですが、一番多いのは、ドライスキンによるものです。
 高齢者は、皮脂分泌が少なくなる傾向があります。そのため、皮膚角質層での水分保持能力が低下してしまい、ドライスキンになりがちです。
 こうなると、ちょっとした刺激や衣服のこすれ、温度変化などに過敏になり、かゆみの誘因になります。
 治療は、かゆみ止めの内服薬、保湿剤などの外用薬を組み合わせますが、それと同時に、日頃のスキンケアも重要となります。日頃の生活に少し注意をすれば、かゆみが改善される場合も多いものです。
 以下は、当院でおこなっている生活指導の要点です。根気よく、がんばってみてください。

  • 入浴の注意点
    • ドライスキンの方では、入浴法に改善の余地がある場合が多いようです。
    • 石鹸の使いすぎに注意しましょう。
    • 洗面器にお湯を張ります。石鹸を溶かし、石鹸水を作ります。手で泡立てて、それをすくい取り、手で体を洗いましょう。
    • ナイロンタオルは厳禁です。上記の方法か、手の届かない背中などは、柔らかいタオルで洗ってください。
    • 入浴剤(イオウ成分が入ったもの)は、皮膚が乾燥し、かゆみの原因になる場合があります。
    • 入浴後はすぐに保湿剤を使用しましょう。
    • 熱めの風呂が好きで、ごしごしとこすって、風呂上がりのさっぱり感がよい、と思われる方もおられますが、トラブルになる場合が多いようです。
  • 住まいの注意点
    • 特に冬は乾燥しがちなので、かゆみが悪化する場合があります。
    • エアコンの暖房は、あまりお勧めできません。
    • 暖房のしすぎはよくありません。直接温風が当たらないようにしましょう。
    • 湿度は50%以上をめやすにしましょう。
    • こたつや電気毛布も長時間使用しないように、注意しましょう。
  • 刺激物を避ける
    • 肌着は木綿で肌触りが柔らかいものを
    • ウールなどやごわごわした衣類は、皮膚を刺激しがちです。
    • 飲酒や香辛料など刺激物は、かゆみが出やすいので控えましょう
その他、紫外線、汗、ストレスなども注意が必要です。